OOoはボランティアによって構成されています。そして、
最初にQAが導入されてから4年ほどたちました。今我々を見て、何が出来ているかというと
英語版がリリースされてから最後のリリース候補をなんとかQAするで、これで本当にいっぱいいっぱいです。
だから、現状、どのようなバイナリがリリースされても`許可する'という判子しか押せませんし、
リリースまでにとても時間がかかります。

それでQAしているのか、とは思います。確かにそうです。でもこれが精一杯です。
これ以上はヴォランティアを潰すだけでしょう。どうしたらいいのか。当然組織的にやるべきです。
これをどうしたらいいか。*実際にQAをしてくれる担当者*と合意で決めてゆくことでしょう。これを中田は
IRCなどで決めようとしています。当然*実際にQAしてくれる人*はとても貴重で、ありがたい存在です。

ドイツ語、フランス語、イタリア語のコミュニティのQAは強い。これだけでは無く他言語も
結構強い。これからは中国語も強くなります。なんとPeter Jungeも引き抜かれました。
我々はそのまま、4年、彼らにおくれています。IssueTrackerにもほとんど日本人らしきひとは
見当たりません。リリース候補でバグを発見し、リリースをストップさせるほどの強力な
力を持つのは夢のまた夢かもしれません。ですが、それには近づきたい。
よいリリースをなるべく早く、限られたリソースで。これが目標です。

少し歴史的なことを述べましょう。

OOoはボランティアによって構成されています。特にHamburgチームというSUNのボランティアが
翻訳もいくつかのローカライゼーション(日本語含む)も
主に面倒を見ています。これは超強力な開発者の集団で、成果をStarOfficeとして販売しています。
まさに、彼らの利害はそこにあり、OOoは本当のヴォランタリーワークです。だから
ソースコードも含めて、OOoには直接関与しません(実際は人間関係がだぶっていたり、政治的
理由で関与していますが)。

OOoは懐が広く、全ての言語、全てのプラットフォームを受け入れます。これは素晴らしいことで、
わたしもFreeBSD/MacOSXには無視できない時間関わり、そしてパッチは100単位で
コミットされました。わたし自身もコミットしています。

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MLには、「このような言語のビルド、プラットフォームの
ビルドがある」というメールが投稿されますが、
あるftpサイトににある、ビルドをどのようにオーサライズしてよいか、というのは不明でした。
もしかしたらウィルスが入っているかもしれない。そこに統制が必要でした。

そこで、2003年にOOoではリリースする際に、QAをしなくてはならない、としました。
これはコミュニティマネージャーのLouis Suarez-Pottsの提案です。
すぐさまQAプロジェクトのJoost, Gordon Sらによって承認されました。

だから、1.0.2までは`RC'(リリース候補)という表記がなかったのですが、
1.0.3からは全てのビルドはリリース候補であり、QAをしなくてはリリースされなくなりました。
QAの責任は各native language projectのproject leadがとるということです。
これは自然な流れだと思います。l10nもdevもqa projectもこれは担当するのは
あまり好ましくない(l10nはlocalizationで開発、qaはquality assuranceは
しますが、各言語については知らないから)。

わたしは当時JA-NLのプロジェクトリードでありましたが、最初このQAの重要性を全く
認識していませんでした。全くとんちんかんな見解を持っていました。
そのような状態でQAをコンダクト出来るはずもなく、
手をあげられた近藤さんに一任していました。わたしは何も手伝わなかったですが、全く彼の好きなように
やってもらっていました。彼は長いことQAをしていましたが、力尽きました。3-4年前彼とLouisと三人で
ご飯を食べたときがあります。その時「中田さん、ごめんなさい」とすまなそうに
していて、とてもこちらも辛くなりました。

その後は、武内さんがQAを継ぎました。彼にも平野さんと三人で数年前OSCのときに一度あいました。
よいQA管理者だったと思います。vmwareがあれば、もっと速いコンピュータがあれば、
とおっしゃっていました。JREもwithout JREもファイルが完全に同一かどうかチェック
すべきだとおっしゃっていました。なかなかマニアックな人だなと思いました。
ですが彼も力尽きました。個人的なことを色々聞くと、大変な激務を担ってくれた
武内さんには本当に感謝しています。何か寄付できたかも、それを思うと
心が痛くなります。
武内さんはwikiを使っていたようです。アクセス過多か、突然、パスワードが必要となりました。

そして、彼らのQAの詳しい記録はほとんど残っていません。

QA担当者はかなりの激務です。大抵はQA担当者が多くQAしていたと思います。
そして二〜三週間はかかりっきりになります。
皆はOOoをすぐさま使いたい、そう思うと思います。それは自然です。
でも、このようにQA担当者を酷使し、一人一人潰していくのは、プロジェクトとしては
辛いもので、これからは絶対にそのようにすべきではないと考えます。
そして記録もあまり残っていません。こんな、焼き畑農法のような、QAは徒にテスターを疲弊させます。
全く成果があがらないし、OOoにフィードバックも不可能です。これならば、QAの要件を
「ビルドが入手されたらそれでリリース許可」にするほうがよほどよくみえます。
しかし、これは、全くQAを放棄すること意味し、OOoの信頼性は低くなるので
これもできません。

つづく...
-- Nakata Maho 
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