At Mon, 10 Sep 2007 23:49:19 +0900,
Watanabe Kazuhiro wrote:
> スキャナ・プリンタ複合機の Canon PIXUS MP810 の動作報告です。
(snip)
> キヤノンからは MP810 に正式に対応したプリントフィルタがまだ提供されて
> いませんが、PIXUS MP600 用のフィルタで動作しました。ただし厳密にはプリ
> ンタヘッドのノズル数が異なるので、何らかの不具合が出る可能性はあるかも
> しれません。
> 
> # PIXUS iP4200 用でも動くらしいです。
> 
> 以下はその導入手順ですが、基本的には
> 
>  Canon PIXUS iP3100 を CUPS 経由で使う
>  http://tabochan.f2g.net/pixus.html
> 
> と同じ (有用な情報に感謝します!) なので、なるべく簡潔に書きます。

新しく PIXUS MP610/MP520/iP4500/iP3500 用のプリントフィルタが
公開されたので、MP610 用のフィルタのインストール手順を投稿します。

手順は一部のファイル名とアーカイブ形式が異なるだけで、
それ以外は MP600 用のフィルタと同じです。
パッチファイルも "-p1" をつければそのまま適用可能ですが、
一応作りなおしました。

動作確認は PIXUS MP810 と FreeBSD 7.0-RC1 で行いました。

>  1.1. 準備
> 
> 以下のソフトウェアを ports からインストールしておきます
> (依存関係で他に色々インストールされますが省略)。
> 
> print/cups
> japanese/ghostscript-gnu-jpnfont
> emulators/linux_base-fc4
> graphics/linux-jpeg
> graphics/linux-png
> graphics/linux-tiff
> archivers/rpm2cpio
> 
> また CUPS 用フィルタのコンパイルのために、以下のソフトウェアも
> ports からインストールしておきます。
> 
> devel/autotools
> devel/gmake
> shells/bash
> 
> そして /usr/ports/print/cups-base/pkg-message に従って設定し、
> さらに /etc/rc.conf に以下の 2 行を追加しておきます。
> 
> linux_enable="YES"
> cupsd_enable="YES"

ここまではまったく同じです。

>  1.2. プリントフィルタのインストールと動作テスト

次に、

 キヤノン:サポート|ソフトウエアダウンロード
 http://cweb.canon.jp/drv-upd/bj/other.html#linux

にある「IJ Printer Driver Ver.2.80 for Linux」へのリンクを辿り、
以下のファイルをダウンロードします。

 * 「全機種共通で使用するファイル」から「ソースファイル」
 * 「PIXUS MP610 用ファイル」から
   「PIXUS MP610 用機種別パッケージ (rpm ファイル)」と、
   「PIXUS MP610 用操作説明書 (HTML)」
 * 「FAQ」

上記「PIXUS MP610 用機種別パッケージ (rpm ファイル)」を展開し、
/compat/linux 以下にコピーします。

$ mkdir mp610                           # 作業ディレクトリ。
$ cd mp610
$ rpm2cpio /PATH/TO/cnijfilter-mp610series-2.80-1.i386.rpm | cpio -ivd
$ find ./usr -type d | xargs chmod 755  # 何故か 700 になっているので。
$ su
Password:
# cp -Ri ./usr /compat/linux/

この後、7.0-RC1 の場合は次のコマンドを実行する必要があります。

# /compat/linux/sbin/ldconfig -r /compat/linux

6.2-RELEASE の場合は、再起動するのが簡単です (これは前回書き忘れました)。

> ここでテスト印刷をします。印刷用の PostScript ファイルが必要ですが、
> 私は適当な日本語テキストファイルを ports/japanese/a2ps で PostScript 
> 形式に変換して使用しました。

$ su                                    # /dev/ulpt0 の書き込み権限が必要。
Password:
# a2ps-j -nh -nt -ns -p nihongo.txt | \
gs -q -r600 -dSAFER -dNOPAUSE -dBATCH -sDEVICE=ppmraw -sOutputFile=- - | \
/compat/linux/usr/local/bin/cifmp610 --imageres 600 --media plain > \
/dev/ulpt0

>  1.3. CUPS 用フィルタのインストールとテスト
> 
> 次は CUPS 用フィルタのコンパイルです。まず前述の「ソースファイル」を
> 展開し、以下のパッチを当てます。

http://homepage2.nifty.com/dumb_show/unix/cnijfilter-common-2.80-freebsd.diff

> 次に必要なものだけをコンパイルします。

$ mkdir common                          # 作業ディレクトリ。
$ cd common
$ tar zxvf /PATH/TO/cnijfilter-common-2.80-1.tar.gz
$ patch < /PATH/TO/cnijfilter-common-2.80-freebsd.diff
$ cd cnijfilter-common-2.80/libs
$ ./autogen.sh
$ gmake
$ cd ../pstocanonij
$ ./autogen.sh
$ gmake

> 必要なファイルだけをコピーします。

$ su
Password:
# cd common
# cd cnijfilter-common-2.80
# cp -i pstocanonij/filter/pstocanonij /usr/local/libexec/cups/filter/
# cp -i ppd/*.ppd /usr/local/share/cups/model/

> ここで cupsd を再起動 (/usr/local/etc/rc.d/cupsd restart) した後、
> プリンタを登録します。

$ su
Password:
# lpadmin -p PIXUSMP610 -m canonmp610.ppd -v usb:/dev/ulpt0 -E

> 続いて http://localhost:631/ に Web ブラウザでアクセスし、テストページ
> の印刷が行えることを確認できれば成功です。
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WATANABE Kazuhiro 
([&#x30E1;&#x30FC;&#x30EB;&#x30A2;&#x30C9;&#x30EC;&#x30B9;&#x4FDD;&#x8B77;])

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