野方です。
すっごく長くなってしまったので、一番下の3行まとめを見てから読むといいかも

「翻訳プロセスの見直し」と書いていますが、LibreOfficeでは翻訳だけでも
UI/ヘルプ以外にもドキュメントやWiki、Webサイトなど多岐にわたるので、
話をしていたUI/ヘルプの翻訳という前提で進めますね。

UI/ヘルプに関連するWikiページはこういったところでしょうか。
これを読んだ前提として話を進めますね。

* 日本ローカル
    * JA:LibreOfficeの日本語UI/ヘルプの翻訳方法:
https://wiki.documentfoundation.org/JA/Translation/UI_Help_Translation
    * JA:日本語への翻訳と地域化: https://wiki.documentfoundation.org/JA/Translation
* グローバル
    * LibreOfficeの翻訳:
https://wiki.documentfoundation.org/Translating_LibreOffice/ja
    * 言語/Weblateガイド:
https://wiki.documentfoundation.org/Language/WeblateGuide/ja
    * 言語とローカライゼーション: https://wiki.documentfoundation.org/Language/ja

UI/ヘルプの翻訳の大まかな流れとしてはこんな感じだと思います。

1. Weblateにアカウントを作る
2. Weblate上で翻訳を提案をする
3. 査読者が査読をして翻訳を採用する

Weblateではアカウント無しでも提案できますが、その場合の提案は権利放棄
とみなす。というのは合意が取れていたはずです。(探しようもないし、名乗
り出ても調べる手段もないので)

以前と大きく変わったところは、Weblateになって査読者権限は、ローカルの
Language Teamではなく、L10N MLかSophiさんに連絡をして権限をつけてもら
うことでしょうか。(TDF Wiki「LibreOfficeの翻訳」参照)

「翻訳プロセスを見直しましょう」との提案ですが、日本語コミュニティが抱
えるUI/ヘルプの翻訳の基本的な問題としては、プロセスの問題よりも「アク
ティブな査読者がいない」に尽きます。

仮にプロセスを変えて、査読なしで誰でも翻訳を通すようにすると品質は落ち
ると思いますし、最低限これは必要かと思います。

実際、Weblate移行時は誰でも翻訳を採用できたので、日本語ネイティブでな
い方が日本語として使わない言葉の訳を入れて問題になりました。そのため以
前と同じプロセスに戻したという経緯もあります。

これを解消するために、矢内原さん、目黒さんに査読者になっていただきまし
たが、それぞれの事情などもあって常に動けるという状態とは言い難いです。
自分もコロナの影響で仕事に追われて、LibreOfficeに割ける時間が減ってい
ることもあります。

査読者については、単純に増やせばという話ですが、査読をするからには、コ
ミュニティで一定程度活動していて、その訳がどこで使われるか調べてくれる人
(ときにはソースコードを追って)ぐらいでないとお願いは難しいと考えています。

そういう事情もあり誰でも任せられないので、上のようなジレンマに陥ってい
る状態です。

さて、翻訳プロセスについて見直しをという提案ですが、石川さんはどのよう
にすると良いと考えているでしょうか?

現在、日本語ローカルコミュニティとしては以下の感じです。
(TDF Wiki「JA:LibreOfficeの日本語UI/ヘルプの翻訳方法」参照)

> * 標準で、どなたでも「訳の提案」はできる
> * 訳の査読反映ができるのは、一部のメンバーのみ
> * 提案後には原則メーリングリストで査読を依頼する
> * 査読反映を行えるメンバーに昇格するには、継続的な貢献度を見て判断する

「査読を依頼する」という部分に関してはMLで報告する人がいないので止めま
しょうという提案はしました。石川さんは、この「報告」という部分を
Redmineでやっているので、おかしなことになったのかなと思いました。

Redmineは、翻訳を報告する場所ではなく、日本語コミュニティが解決する問
題を管理するために導入しました。

* https://redmine.documentfoundation.org/projects/nlc-ja

たとえば、翻訳の話なら「Aの場所の訳語とBの場所の訳語で同じ意味のものが
違う翻訳をされている」という問題は、Bugzillaに持っていく話というより
(持っていってもいいけど)日本語コミュニティ内で話をして解決したほうが
話は早いですよね?

石川さんが提起してくれた「翻訳プロセスについて見直したい」や中で書いて
いる「翻訳関連のWiki拡充」は、まさにredmineに登録して管理するべき問題
ですが、翻訳については、その訳の問題だけチケット登録してチェックなどに
ついては、MLやTelegramで進め、そのチケット内で解決すべきことだと思って
います。

査読やチェックをredmineのチケット乱発してまでやるようなものではないし、
チェックしたいのであれば石川さんの手元でビルドしてチェックして、やり取
りはMLなどの以前の運用にすればいいというのが野方の考えです。

長くなったので3行まとめ
* UI/ヘルプの翻訳の問題はプロセスの問題じゃないよ
* 査読者を増やしたいけど適当な人には任せられないのでジレンマあるよ
* redmineは日本語コミュニティの問題管理のためにあって翻訳管理のためではないよ
です。

翻訳やredmineの話から外れますが、個人的には、コミュニティ整備に力を入
れて人が参加しやすくしたいです。そのためにSNSの広報や日本語ガイドライ
ンを作ったりしてますが限らた時間の中でやっているので、かなりしんどいの
が野方の現状です。

石川さんがredmineのチケットに書いている「翻訳参加のためのWikiの拡充」
は必要だし、ぜひお願いしたいです。



2020年9月27日(日) 8:37 ishikawa souichirou <souichi...@gmail.com>:

>
> 石川です
>
> おはようございます
>
> Telegram では私と野方さんの活発な議論が有りましたが、LibreOffice7.0
> もリリースされたこともあり、翻訳プロセスの見直しをするチャンスであると思います。
>
> Redmine 上でタスクを提案いたしました
> https://redmine.documentfoundation.org/issues/3399
>
> Redmine は現在限られた人でしか編集することができません。
> 翻訳プロセスで思うところがある方は本MLで返信していただけると良いと思います。
>
> 具体的な行動に関しては、直近LibreOffice
> 10周年がありますので、その後で良いのかと思います。
>
> 皆様のご意見お待ちしております。
>
> よろしくおお願いいします
>
> ----
>
> 尚、Redmine で詳細なタスクの管理の仕組みを作らずに、運用してしまいました。
> そのため、一部の人に、わかりにくいというご意見を伺っております。
> 運用をしてしまった石川があまり良くなかったので、ここで謝罪させていただきます。
>
> ご迷惑をおかけしました。
>
> この件にかんしても仕組みを作っていきましょう
>
> よろしくお願いいたします。
>
> 以上
>
> --
> +------------------------------------------+
>   Souichirou Ishikawa
>   souichi...@gmail.com
> +------------------------------------------+
>
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